福山城(福山市)の天守閣や福山城公園内の施設などを使った宿泊体験「城泊」の提供が6月から始まる。福山城博物館、月見櫓、御湯殿などの指定管理者であるふくやま芸術文化財団が1月17日に発表した。
宿泊場所は、福山城公園内の月見櫓(やぐら)。食事も同じ場所で取り、福山の地産地消を味わえる。風呂は、初代藩主の水野勝成が使っていたと伝わる御湯殿をサウナ付き浴室に改修する予定という。このほか、国指定重要文化財の筋鉄御門からの入城体験や閉館後の天守最上階を貸し切っての生演奏や天守を望む庭園でコーヒーを提供するなど、城公園全体を使ったコンテンツを組み込む。
ターゲットは、富裕層の高付加価値旅行者。日本政府観光局(JNTO)では、高付加価値旅行者を「訪日旅行1回当たりの総消費額が100万円以上の旅行者」と定義付けている。料金は1泊2人・2食付き約132万円。定員は4人程度で、人数を増やす場合は追加料金(1人当たり約13万2,000円~)が必要。
4月1日から一般予約を開始。予約ホームページと専用電話を今後、新設する。
福山城は築城400年を迎えた2022年に、城の大規模改修を行った。全国で唯一という「福山城天守北側鉄板張り」も復元し、城泊実証事業もインバウンドアドバイザーを招いて実施している。