広島市中心部の「袋町公園」そばに7月12日、ピザの自動販売機「Pizza SELF(ピザセルフ)」が設置された。
24時間いつでもピザを購入できる自動販売機は昨年7月、TSUTAYA楠木店(広島市西区)の敷地内に初導入した。10カ月で1万2千枚売り上げたが期間満了に伴い、人通りの多い市街地へ移動したという。
考案したのは「深夜に温かいピザを食べたかった」と話すイーライン(中区加古町)の谷口佳陽社長。「構想から10年。ないものを生み出すのに苦労したが、運送で独立して新しい分野に挑戦した」とも。本業の物流ネットワークを使い、冷凍配送ができる強みも生かした。
メニューはマルゲリータ(980円)と4種のチーズ(1,280円)の2種類。ピザはベネチアの食品メーカーと共同開発した。風味や食感にこだわり、メニューによって焼き加減を変える。1台に1種類42枚、計84枚までストックでき、在庫はデータで管理し、2~3日ごとに補充する。自動販売機の大きさは、幅約180センチ、奥行き80センチ、高さ2メートル。飲料を販売する自動販売機と並べても大きさはほとんど変わらないという。
現在、国内の食品メーカーと共同で新たなメニュー開発を進めており、10種類まで増やす予定という。1台につき、2種類のピザを販売できることから、販売場所によって種類を変える。自動販売機の精度も高め、湿度や気温、ピザ投入時およびオーブンの中の温度などをAI管理していく。今年9月には東京・銀座へ2台目のピザ自動販売機を設置も決まっており、今後は商業施設を中心に設置台数を伸ばしていく。