米国・ハリウッドでフリーランスとして映画制作に携わる嵜野(さきの)準也さんの自作映画「Orizuru」の上映会が7月4日、広島市まちづくり市民交流プラザ(広島市中区袋町、TEL 082-545-3911)で開催される。
同作品は、嵜野さんの出身である地元広島の『原爆』をテーマに脚本・監督を手がけた15分の短編映画。ストーリーは、米国外交官ジャクソンが帰国し、妻・チズコ(日本人女性)と子どもたちが住む広島に「原爆」を落とすプロジェクトに携わることになるという内容。「原爆を日本と米国と両視点から捉えた作品」(嵜野さん)という。
嵜野さんは広島県の呉市出身。「映画を意識したのは、高校時代に米国ユニバーサルスタジオジャパンの映画制作現場を訪れたのがきっかけ」(嵜野さん)となり、2000年に本場ハリウッドで映画制作を勉強するために渡米、2006年に映画学校を卒業した。現在フリーランスとして映画・ミュージックビデオ制作などの仕事をするかたわら、少人数制の米国映画学校・インターナショナル・スクールオブ・モーションピクチャーの講師として、映画界の人材育成に注力している。
「祖母の時代には戦争をしていた米国に、自分が当たり前に住んでいることが不思議でならない」と嵜野さん。米国人から出身地を尋ねられ「広島」と答えると急に沈黙されたり、「あの土地に人が住めるのか」と聞かれたり、さまざまな反応を受けるという。「戦争を知らない世代が歴史を伝えていくことが必要だと思い作品を制作した。この作品をきっかけに長編にも挑戦したい」(嵜野さん)とも。
当日は、作品上映後に嵜野さんのトークショーも予定している。開催時間は19時~20時。入場無料。同作は、同25日から渋谷でスタートしている「ショートショートフィルムフェスティバル」でも上映されている。