一軒家をリノベーションした「活版カムパネルラ」外観。淡いグリーンの扉が目印。
店内に入ると正面にはJR線路と尾道水道が広がる。活版印刷体験コーナーだけでなく、デザイン雑貨や食品なども並ぶ。ボルタリング仕様の壁面は2階フロアに上る階段として使う。ソファ席付きの2階からはより絶景が楽しめるという。
活版印刷機は2台そろえる。いずれも丸い面にインクを乗せ、組み上げた活版と印刷する紙をセットし、レバーを手前に引いて刷る。
ワークショップは図柄と文字を選び、15枚のカードを印刷できる「Bコース」に挑戦。名刺大サイズのカードは両面カラーのリバーシブル仕様や厚みが異なる2種類を用意。選んだ色によって仕上がりが変わるのかと思うとカード選びも慎重になってしまう。
カードを選び終えると次は図柄と文字選び。図柄はネコやロープウエー、自転車に乗った人など、6種類から決める。文字はひらがな14文字以内で自由に組むことができる。印刷したい文字を決めると指定されたパレットの範囲内から活字を拾っていく。
選んだのは「いつも、ありがとう」という文字。最後に顔郵便マークも加えた。パレットから一文字ずつ抜き取り、上下左右が逆にならないよう注意しながら右から左に並べていく。
活字を並べていく作業は同店代表の上田さんが担当してくれる。ピンセットを使いながら一文字ずつ埋めていく。
隙間を埋め、ゆがみや表面がフラットになるよう微調整を繰り返して組版が完成。黒や白、ピンク、ゴールド、イエローなど7種類からインクを選ぶ。1色刷りとなるため、体験希望者が複数人いる場合は話し合いで色を決めるという。
丸い面にヘラでインクを乗せ、ローラー奥に組版をセット。手前の印刷面にカードをはめ込み、準備は完了。あっという間にレバーを手前に引くと印刷できる状態になった。
レバーを引く力によって仕上がりに差が出てしまうが、それも手作りならではの味。15枚刷るうちに力の加減も少しずつ分かってきた。完成したカードはしばらく店内で乾かし、帰る前には丁寧に梱包してくれる。
店内には活版印刷の本もあり、実際に手に取って見ることもできる。
スタッフのサポートを受けながら進めるため、初心者でも楽しめる活版印刷ワークショップ。予約不要で体験できるコースも用意し、気軽に活版印刷に触れる機会を設けている。
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