国土交通省と広島市（広島市中区国泰寺町1）は11月5日から、無料で自転車を貸し出すコミュニティーサイクルの社会実験「サイクルひろしま」を広島市内11カ所で実施している。

　コミュニティーサイクルは、共用の自転車を通常のレンタサイクルのように借りた場所に返すだけでなく、他のサイクルポートでも貸し出しや返却ができるシステムで、欧米で盛んだという。社会実験は、自転車の利用促進や観光客の利便性向上の観点から有効性や本格実施にあたっての課題を検証するために実施するもの。システムの導入を検討している国土交通省が、5月に各自治体から公募を受け付け、広島市ほか7都市が選ばれた。

　広島市内のレンタルポートは、観光客や来訪者の利用を中心にホテルや観光地、広島駅を選定。フタバ図書GIGA広島駅前店（南区松原町）や広島城（基町）、原爆ドーム（旧広島市民球場駐輪場）、オリエンタルホテル広島（田中町）などの11カ所で貸し出しと返却が可能。市内の市営駐輪場も無料で利用できる。

　従来のポートは無人だが今回はスタッフを配置。ポートには各40台の自転車を用意しており、平和大通り沿いのANAクラウンプラザホテル広島（中町）や三井ガーデンホテル広島（小町路上駐車場）、広島駅南口のフタバ図書GIGA、北口のホテルグランヴィア広島の回転が良いという。自転車は翌朝までに車でそれぞれのポートに返却していく。

　広島市では、2000年に乗り合いバスの末端交通手段としてレンタサイクルを実施。通勤や通学など平日の移動手段がメーンだったが、今回は広島を訪れる観光客を含めたビジターを対象にしており、ビジネス利用を避けるため、9時30分から利用開始としている。

　レンタルポートでは貸し出しの予約は受けておらず、状況の問い合わせ専用番号を各所に設ける。実験は12月4日まで。問い合わせは広島市道路交通局道路交通企画課（TEL 082-504-2754）まで。