総合ホテルチェーン「アパホテル」(東京都港区)は12月19日、土地・建物を取得した広島駅前の「ホテルやまと」を「アパホテル広島駅前店」(広島市南区松原町)として開業した。
同ホテルの広島への出店は初で、全国67店舗目、中国地方で4店舗目となる。「拠点として出したかった」(同社の元谷芙美子社長)という広島駅前店の敷地面積は約80坪、鉄筋コンクリート構造の地上10階建てで客室は90室(シングル=72室、ツイン=17室、ダブル=1室)。同社では、広島駅南口そばという好立地を生かし、ビジネスやレジャー需要の取り込みを図る。
インターネットでの予約客が多いという同社では、宿泊割引などのサービスが受けられる「アパカード」を発行。全国で約241万人の会員の利便性も高めていく。
すでに平日はビジネス需要が高く、「ほぼ満室」とアパグループ代表の元谷外志雄さん。広島駅付近には新市民球場「MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島」が来春オープンすることから、ビジネス利用の少ない週末や休日は「観光客を取り込んでいきたい」(同)と話す。同社では全国的に駅前立地は稼働率が高く、昨年に比べ稼動が伸びていることから、年間の客室稼働率は75~80%を見込む。
「デフレの極みには(ホテルの)取得のチャンス」と話す元谷芙美子社長。厳しい状況の中、100室前後のホテルの買収を行い、今年は鳥取、岡山、山口の3県に次々とホテルをオープンさせた。広島は中国エリアの中枢と位置づけ、今後は中四国エリアでの事業展開を図っていく。