広島・宮島桟橋近くに昨年11月オープンしたゲストハウス「鹿庭荘(かにわそう)」(廿日市市、TEL0829-30-6679)が現在、国内宿泊者向けのサービス提供に力を入れている。
オーナーは広島出身の松田達雄さん(36)。地元の大学卒業後、海運関係の仕事に9年間ほど従事。退職後に輸入業で独立したが景気が悪く、あえなく廃業したという。
「ゲストハウスとは京都で出会った。1カ月間の長期滞在中にビジネスホテルで過ごす1人の時間が辛くなり、ゲストハウスを訪ね歩くようになった」と松田さん。人々の交流を体験する中でゲストハウス営業に関心を抱き、その後も各地のゲストハウスを回り続け、開業を決めたという。
フロア構成は、1階=共有スペースやシャワールーム、キッチン、2階=寝室。延べ床面積は、1階=約40坪、2階=約35坪。ベッドメーキングからシーツ回収まで宿泊者が行い、食事の提供は一切行わないセルフサービスが主体。完全個室や行き届いたサービスを行わない代わりにリーズナブルな価格で1泊からの利用にも対応する。
「基本的には1階で過ごしてほしい」と洗面台やシャワールーム、キッチンなどの設備を利用する際はリビングを通るような作りにした。リビングにはソファ、ハイカウンター、畳、テーブルとさまざまなタイプの座席を用意。宿泊客同士が交流できる場となるよう、どこに居ても一体感が生まれる空間を目指したという。
ターゲットは海外旅行者でなく、日本人旅行者を想定する。主に女性客の利用を中心に見込み、設備の充実にも力を入れる。「広島在住者の方も宮島に宿泊する機会は少ないと思う」と松田さん。県外在住の友人と待ち合わせて宿泊する利用者もあったという。「街頭の明かりや車などの騒音が少ないため、生活リズムのリセットにもおすすめ」とも。週末を使った近場での旅行も提案する。
宿泊料金は1泊3,000円~。客室は、女性専用、男女共用ドミトリー、個室タイプのセミプライベートルームと3種類を用意する。最大宿泊客数は36人。チェックインは15時~20時。チェックアウトは10時まで。