広島市内中心部に位置する3つの美術館とサテライト会場で「平和」をテーマに開くアートイベント「アート・アーチ・ひろしま2013」が現在、広島県立美術館(広島市中区上八丁堀)などで開催されている。
異なる特徴を持ち、戦後の広島の文化復興を担ってきた広島県立美術館、ひろしま美術館(基町)、広島市現代美術館(南区比治山公園)の3館が共同開催するイベントは今回が初。近世や近代から現代美術まで通観できる環境を下地に展開する。
テーマは、戦後から一貫して発信してきた「平和」。キー・アーティストに平和大橋のデザインを手掛けたイサム・ノグチを据え、3館で作品を紹介する。日本人の父とアメリカ人の母との間に生まれたイサム・ノグチは、彫刻家や画家、インテリア・デザイナーなど、さまざまな分野で活動。広島の原爆慰霊碑案をデザインしたが、アメリカ国籍を保有していたことから実現に至らなかったことも。建築家の丹下健三は、イサム・ノグチの企画を踏まえて現在の慰霊碑をデザインしたという。
3館をメーン会場に、ギャラリースペース「ギャラリーてんぐスクエア」やアリスガーデン、旧日本銀行広島支店など、広島市内のサテライト会場でも展覧会やイベントを同時開催する。
入場料金は3館共通券で、一般=1,900円、高校・大学生=1,200円。10月14日まで。