6月1日から公開される映画「はじまりのみち」の記者会見が5月20日、八丁座(広島市中区胡町)のカフェで行われ、原恵一監督と新垣弘隆プロデューサーが登場した。
映画は「二十四の瞳」「花咲く港」などを手掛けた故木下惠介監督の実話を基にした作品。戦時中、思うような映画製作ができなかった木下監督は故郷の浜松に帰郷。脳出血で倒れた母を疎開させるためリヤカーに乗せ、兄や頼まれたことは何でも引き受ける「便利屋」と一緒に60キロに及ぶ険しい山越えを行う。
監督・脚本を担当する原監督は、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」「河童(かっぱ)のクゥと夏休み」などのアニメ映画で知られる。今作が初の実写となるが、脚本を執筆するうちに手応えを感じ、「自ら監督をしたいと名乗り出た」。
原監督に依頼したプロデューサーの新垣さんは、監督作品の「河童のクゥと夏休み」「カラフル」を「実写に近いアニメ」と表現。「息吹を吹き込む作品を、まずは作ってほしい」と依頼した。
会見では、クランクアップ予定日に大雨で川が増水したため、撮影を延期して、スタッフ総出で仮設の橋を作ったエピソードを披露。「すごくいいシーンが撮れた。象徴的だった」と原監督。このほか、作中の季節は夏だったが、実際は11月に撮影したことや、役者のスケジュールや予算などタイトだったことなどを笑いも交えながら明かした。
同作は6月1日から、八丁座などで公開。