東日本大震災から2年を迎えた3月11日、広島地下街「シャレオ」中央広場(広島市中区基町地下街)で「3・11東日本大震災を忘れないパネル展」が始まった。
東北・関東地方の太平洋沿岸部を中心に未曽有の被害を与えた大震災。記憶の風化が危惧される中、震災の教訓を生かした防災や減災の取り組みを強化しようと国土交通省中国地方整備局が企画した。
会場では、東日本大震災の発生から復旧まで一連の災害に対応した活動記録をパネルで展示する。被災前後の各地の空撮写真や押し寄せる巨大津波を収めた写真なども並べ、現場の対応などをまとめた映像を上映。津波にのまれたヘルメットなども展示した。
震災発生時刻を前に会場では追悼式を開き、先遣隊として震災発生直後に現地に赴いた同局道路部の川端誠さんが登壇。「漠然とした不安」と使命感を持って一路、1200キロ離れた東北地方へ向かった川端さん。「『行かにゃあいけんじゃろ』と自分を鼓舞して行った」と当時を振り返った。
企画部の足立司さんは震災発生から10日後、宮城県東松島市へ支援に向かった。「カメラを持って行ったが向けることができなかった」と足立さん。「撮ってはいけないのでは」と葛藤する中、足立さんの服装を見た被災者から声を掛けられた。「写真を撮ってくれ。撮って持って帰ってくれ」。足立さんは「何がつらいか、『忘れられること』だ」と言われ、カメラを向けたという。
同日14時46分に向けて人が集まり始めた同所では、多くの人が東を向いて1分間の黙とうをささげた。
開催時間は10時~21時。同展は今月12日まで。