1. プロジェクトの概要|廃棄せざるを得ない陶片に、もう一度価値を。
厳島神社より拝受した御神殿下の「御砂」を粘土に混ぜて製作される、広島県伝統的工芸品「宮島御砂焼(みやじまおすなやき/Miyajima Osunayaki Pottery)」。製造過程では、ヒビや欠けなどにより、どうしても一定数のB品が発生する。 「素材となるまで何年もかけて育まれた土が、一度焼かれると二度と土には還らず、廃棄物になってしまう。自分の力不足で廃棄にしてしまうことが申し訳ない」。 対厳堂オーナーのそんな切実な原体験から本プロジェクトは始まった。文化的・精神的価値を持ちながらも捨てられていた陶片に「次の物語」を与え、“暮らしに還す”ことが「RE:OSUNAYAKI」の使命だ。

2.コンセプト|欠片は先の物語を綴る。
本プロジェクトは、単なるリサイクルではなく、お砂焼きに宿る「信仰」「風土」「手しごとの記憶」を未来へつなげるための再文脈化の営みである。

「RE:OSUNAYAKI」お砂焼きは、土には還らない。
いちど焼かれたその瞬間から、
形は決まり、刻を留める。
土に還らぬ祈りの欠片は、
新たな文脈を綴る。
この地の風土が育んだ文化は、
暮らしの中に還る。
壊れたものではなく、
終わらないものとして。
お砂焼は、未来を綴る。
RE:OSUNAYAKI WEBページ
3.ロゴコンセプト|「輪廻転生」から「輪粘転成」へ
プロジェクトを象徴するロゴマークは、ひとつの完成された円(焼き物)が砕け、粉末となり、再び原料へと混ざり合って新たな完成品へと生まれ変わるプロセスを表現している。 「輪廻転生」をなぞらえ、粘土が形を変えて成しゆく「輪粘転成」という独自の思想をビジュアル化。欠けているからこそ生まれる美しさと、終わらない文化の連続性を象徴している。

4.厳島神社による撮影協力が実現
本プロジェクトの背景にある「祈り」と「風土」を正しく伝えるため、コンセプトムービーの制作にあたり、宮島・厳島神社の撮影協力をいただいた。御砂焼の起源であり、信仰の象徴である場所で撮影を行うことで、このプロジェクトが単なるアップサイクルではなく、土地の記憶を継承する神聖な試みであることを映像に収めることができた。
RE:OSUNAYAKI MOVIE
https://www.youtube.com/watch?v=jhOc4STGk3c
5. プロダクト展開の展望
廃棄陶片をサイズごとに選別し、その特性を活かした実用素材として、国内のみならず海外のお客様にも届くプロダクト展開を予定している。
- 1~5cm(化粧砂・飾り石):盆栽や観葉植物の化粧砂、いけばなの足元石、香立用の香炉石としての活用。
- 1mm以下(微粉末): 粘土に混ぜ合わせ、耐火性と素朴な風合いを兼ね備えた「Reborn Chawan(再生 抹茶茶碗)」を製作。茶道の「道具を大切にする精神」と持続可能な価値観を融合させた象徴的なプロダクトを目指す。




6. プロジェクトのこれから|異業種連携による、伝統工芸の新たな未来
本プロジェクトは、製造・観光・園芸という異なる領域のプロフェッショナルが、それぞれの強みを活かした「連携型ビジネスモデル」として、多角的な展開を構想している。
伝統を継承しながら、SDGsに対応した次世代の伝統工芸の在り方を創出する。
オリジナル香立ての開発などを通じ、国内外の旅行者に向けた新たな価値を提供。
盆栽ワークショップ等を通じ、御砂焼の記憶を現代のライフスタイルに溶け込ませる。
さらに今後は、地域の子どもたちに向けた「情操教育」的な体験プログラムや、伝統工芸全体における廃材活用の仕組みづくりを視野に入れている。
7. 制作チーム紹介
株式会社逆光による制作ディレクションのもと、このプロジェクトを深く理解したクリエイターが集結。
株式会社逆光全体戦略からコンセプト設計、制作ディレクションを担当。
オリシゲシュウジ(アートディレクション、グラフィックデザイン)プロジェクト全体の世界観設計を踏まえ、ビジュアルディレクションを担当。ロゴデザインを起点に、宮島御砂焼に込められた「祈り」や「循環」の思想を視覚言語へと翻訳し、リーフレットや抹茶茶碗の掛け紙など、販促ツールへと展開。伝統と現代を横断しながら、プロジェクトの思想が一貫して伝わる緻密なデザインを構築。
杉野正和(フォトグラファー)素材が持つ手触りや、そこに宿る祈りの気配を切り取る撮影を担当。
すぎおかりく(映像クリエイター)厳島神社の静謐な空気感と対厳堂の想いを描くコンセプトムービーを制作。
7. プロジェクトに込めた想い:土には還らないお砂焼を、暮らしの中に還す。
RE:OSUNAYAKIは、宮島御砂焼の制作過程で完成には至らなかった焼き物に、別のかたちで、もう一度暮らしの中の役割を与えるプロジェクトである。
割れや欠けによりお届けできなかった焼き物を、粉砕し、磨き、新たな素材としてよみがえらせる。一度焼かれた焼き物は、もう二度と土には還ることができない。だからこそ、壊れたものではなく「終わらないもの」として、再び誰かの日常へと綴り直していく。
「土には還らないお砂焼きを、暮らしの中に還す。」
――それが、RE:Oの原点。
この試みが、100年以上続く伝統工芸の新しい継承の形として、そして広島の風土が生んだ「祈りの文化」を次の100年へと繋ぐ確かな一歩となることを願っている。



RE:O is a project dedicated to giving a new role in everyday life to Miyajima Osunayaki pottery that could not be completed during the production process.
Pieces deemed undeliverable due to cracks or chips are crushed and polished, allowing them to be reborn as a new material.
Returning shards that cannot return to the earth, but to our lives-this is the heart of RE:O.
【宮島御砂焼 窯元 対厳堂について】
大正元年(1912年)創業。嚴島神社から拝受した「御砂」を粘土に混ぜる独自の伝統を110年以上守り続ける「嚴島神社御用窯」。江戸時代の「お砂返し」の風習を背景に、神域の記憶を器に吹き込み続けている。 広島県伝統的工芸品や、ザ・広島ブランドに認定されており、2022年には
「折鶴灰釉香炉 祈り」がローマ教皇への贈答品に、2023年のG7広島サミットでは
「折り鶴ランプ 燈 (あかり)」が各国首脳への贈呈品に選出されるなど、広島を代表する工芸として国内外で確固たる地位を築いている。
所在地: 〒739-0411 広島県廿日市市宮島口1丁目3-39
URL: https://miyajimayaki.jp/

【株式会社逆光について】
「文化に光を当て、時代を綴る。」をミッションに掲げ、広島を拠点にブランド戦略を支援する戦略家集団。企業の持つ本質的な価値(=文化)を再設計し、共感と変革の連鎖を生み出すリブランディングを得意としている。
所在地: 広島県広島市中区上八丁堀8-26 メープル八丁堀607
URL:
https://backlight.co.jp/
note:
https://note.com/legit_dunlin4624
代表note:
https://note.com/mark136
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社逆光
担当:越智
電話番号:082-962-3630
Email:m.ochi@backlight.co.jp