プレスリリース

Manufacture -Allure of Tradition- 大阪展 開催

リリース発行企業:株式会社マルニ木工

情報提供:




工芸と工業のあいだにあるもの。
心に響くものづくりの姿勢とは。
時代や地域の違い、トレンドやスタイルを超えたTradition家具の再構築に挑みます。

CONCEPT


Art Direction : Yuji Mizuta, Photo:Kousuke Ichikawa

人が奏でるものづくりの調和が、感性を揺り動かす。
素敵なものと巡り合った瞬間、心がハッとするのはなぜでしょう。
色やかたちの美しさにうっとりとしたり、繊細な細工に驚いてみたり。また、思い描いていたとおりの感覚と巡り合い、いままで見たことのない個性的なものに心打たれることも、感動の原点となります。さらに、時代ごとに新しい表現を求める一方で、時間をかけて大切に守り、育んできた文化にも愛着や尊さも感じます。

どれほどテクノロジーが進化しても、心が動かされるものづくりの背景に、必ずつくり手の思いがあることに変わりはありません。どれほどの手間をかけ、技術を研鑽し、知識を広げ、感覚を鋭敏に研ぎ澄ますか。経験を重ねるほどに奏でられる音色が増え、多様なハーモニーとなって人々の感性に響くものが生まれるのではないでしょうか。

マルニ木工でも、高品質な家具製造を目指しながらも、人々の気持ちに触れ、感性を揺り動かす仕事がしたい。そんな思いから、改めて創業から90年あまりのわたる自社の歴史とアーカイブを見つめ直し、心をハッとさせるために私たちがいまできることはなにかを再考するプロジェクトをスタートします。その起点となるのが、今回開催するエキシビション「Manufacture(マニュファクチュール)」です。

Manufactureとは、いまや機械を用いた製造全般を指しますが、元はラテン語の「manu factum=手によるものづくり」を語源とする言葉。工芸の工業化を目指して邁進してきたマルニ木工のものづくりを細部まで見わたすと、すべての工程が手技をもとにした技術と知識を複雑に掛け合わせた上に成り立つものであり、Manufactureの感覚と見事に一致しています。

マスプロダクションによる家具製造はもちろん、細かな造作やアレンジ、修理も得意とするマルニ木工が持つものづくりの総力を、新しい表現手法でご紹介する本展「Manufacture」では、1966年より展開している「Tradition」(※1)を、現代の感覚で再解釈。リモデルやパーツ、素材の組み合わせなど、多様にアレンジしました。さらに、日本の美に多大なる影響を受けたと言われる英国の老舗ブランドLIBERTY(※2)のファブリックや、モザイクアーティストの永井友紀子とコラボレーションし、新しい世界観を表現していきます。

※1 Tradition
フランスやイギリスの伝統的な家具様式を、日本のライフスタイルに合うようにリデザイン。1966年カービングマシーンを採用した家具彫刻を開始していらい、「エジンバラ」「ベルサイユ」「地中海」など、現在に至るまで多様な家具を発表している。
※2 LIBERTY
ロンドンの老舗百貨店。日本をはじめとした東洋の装飾品や織物、美術品を取り扱う店として1875年に創業。長い歴史で培った確かな経験と感覚をもとに、幅広いアーカイブを所蔵。繊細なタッチのファブリックデザインが揃う。

TOPICS

ALL ABOUT MANUFACTURE
本展では、マルニ木工のできる下記のものづくりにフォーカスしています。



FURNITECTURE 自由設計による造作家具
椅子やテーブルといった量産家具のみならず、店舗やオフィス、展示会やインスタレーション、ウィンドウディスプレイなど、空間に合わせて自由に設計する造作家具を製造。現場に赴いての施工業務もお手伝いいたします。

CUSTOMIZE 既存品の多様なアレンジ
歴代のコレクションに畏敬の念を抱きながら、現代の暮らしやユーザーの好みのスタイルに応じてリデザイン。素材やパーツの変更、機能の追加、着色や装飾の変更など、多様なアレンジ&カスタマイズが可能です。

HOMAGE 歴代モデルの復刻
長い歴史のなかで時代の変遷とともに、製造ラインには乗らなくなった歴代のコレクションを見返し、過去の資料、アーカイブをもとに再検証。さらにクオリティを高めた復刻家具として発表いたします。

REPAIR 確かな修理・修復
ぐらつきの修正や傷んでしまったファブリックの張替えにはじまり、木部全般の補修、塗装の修復や変更、装飾部の再生を担当いたします。マルニ木工の製品のみならず、他社製品でもご相談ください。

REUSE 再生部材の活用
生産の過程でに生まれる無垢材の小さなパーツを再活用。自社内の端材を集成し、継手の技を交えながら、強度のある再生材として新たな生命をあたえていきます。

FEATURE



Antoine Sofa/アントワーヌソファ
優雅な雰囲気を醸し出すオーガニックなアウトラインと旋盤で丁寧に仕上げた木脚が特徴的な「アントワーヌ」。2015年以来、コレクションから外されていたものをリデザインして復刻。滑らかな触感のファブリックをスタイリッシュにボタン締めで仕上げています。





Albert Wing Chair/アルバート ウィングチェア
背もたれが高く、背もたれの上部に翼のような耳がついたゆったりとした1人掛けのチェア。耳の部分に頭部を預けてくつろぐことができます。形は当時の図面や布型、ベテラン社員の記憶をたどりながら忠実に再現しました。





Edward Chair/エドワードチェア



Versailles Stool /ベルサイユスツール



Edinburgh Stool /エジンバラスツール


Edward Chair/エドワードチェア
18世紀フランスのロココ様式をアレンジした
「エドワード」は、マルニ木工が1974年より半世紀にわたり製造・販売を続けているロングセラー。今回は、ビンテージとして残されていたものを、経年変化した木部はそのままに張替えの修理を施しました。グリーンのグラデーションとホワイトのストライプパターンのファブリックが、フレッシュでモダンな空気感を漂わせています。

Versailles Stool/ベルサイユスツール
美しいピルエットを舞うバレリーナの足先のような脚を持つスツールは、1968年に発表されたベルサイユ ダイニングテーブルの脚を活用したもの。ベルベットのような質感のファブリックを、ボタン締めと鋲で、クオリティ豊かに設えました。

Edinburgh Stool/エジンバラスツール
1960 ~ 70年代に人気を博した「エジンバラ」は、らせん状のねじり脚が特徴的なシリーズ。今回は復刻にともない、過去には存在しなかったハイスツールに形をアレンジしながら、貫にスチールをプラス。さらに、座の側面に鋲を施すことで、重厚な雰囲気を醸し出しています。

SPECIAL ARTWORK




Poltrona Madeleine by Yukiko Nagai
ものづくりが感性に与える意識をより明確に示すために、モザイクアーティストの永井友紀子と協業。ルイ15世時代のロココ様式を取り入れた「マドレーヌ」が、美しいモザイクを纏った「Poltrona Madeleine」として生まれ変わりました。

「年月を経たオリジナルの椅子を受け取ったとき、マルニ木工が持つ素材や構造へのこだわり、ものづくりへの高い意識が瞬時に伝わってきました。ヨーロッパの伝統的なアームチェアを彷彿とさせるデザインながら、その丁寧なつくりや細部への配慮には日本人ならではの繊細な感性を感じます。
私が制作するモザイクタイルも、西洋の伝統芸術と日本人の意識が交わる点で共通しているように感じており、今回はヨーロッパと日本それぞれの感覚を巧みに融合させた、唯一無二の作品を目指しました。ベネチアン・グラスをモチーフに、大胆なパーツを用いて動きのある抽象的なモザイクを造形。背景には細やかな白大理石を格子状に配置し、布を連想させる滑らかなテクスチャーを表現しています。
オリジナルの生地柄(マルセリーノ)を連想させつつ、よりダイナミックなモチーフと多彩な色味を取り入れ表現することで、アートピースとしての存在感を一層引き立たせるよう意識しました」
── 永井友紀子

Profile
永井友紀子 Yukiko Nagai
1981年新潟県生まれ。多摩美術大学環境デザイン学科を経て、イタリア・ラヴェンナ市立美術大学に留学し、モザイクを学ぶ。2011年にスタジオを設立し、ラヴェンナを拠点に、モザイクアーティストとして活動。「さまざまな素材をモザイクに置き換え表現する」というコンセプトのもと、多様な素材にモザイクを施し、唯一無二のアートワークを構築している。

EXHIBITION OUTLINE

Manufacture -Allure of Tradition-
会期:2025年 5月28日(水)~ 6月 3日(火)10:00 - 18:00
会場:maruni osaka 大阪府大阪市中央区淡路町4-2-13 アーバンネット御堂筋ビル1F

【Osaka Art & Design 2025】
マルニ木工は、2025年 5月28日(水)~ 6月24日(火)の期間、大阪で開催される大阪の街を巡りながらアートやデザインに出会う周遊型エリアイベント「Osaka Art & Design 2025」に参加いたします。

第1会場:maruni osaka(6月24日(火)まで展示)
空間の設えをがらりと変え、細かな造作やアレンジ・リペア・再生部材の活用など、マルニ木工のモノづくりの総力を新しい表現手法でご紹介します。

第2会場:高島屋大阪店(大阪市中央区難波 5-1-5)
会期:2025年 5月28日(水)~ 6月10日(火)10:00 - 19:00(※最終日は18:00閉場)
LIBERTY 150周年記念インテリアコレクション「THE HOUSE OF LIBERTY」を特別に張った商品もご覧いただけます。

CREDIT

Organization:マルニ木工  Maruni Wood Industry Inc.
Exhibition Design:佐藤寧子 Yasuko Sato(Pranks Inc.)
Visual Art Direction:ミズタユウジ  Yuji Mizuta
Photograph:市川昂佑 Kousuke Ichikawa
Text:猪飼尚司 Hisashi Ikai

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