叡啓大学(学長 有信睦弘、広島市中区)は、2025年3月26日(水)に、2回目となる共創プロジェクト成果報告会を本学で開催しました。参加された企業の皆様はもちろんのこと、本プロジェクトにご興味をお持ちいただいた多くの企業の皆様にお越しいただいた報告会の様子をお知らせします。
叡啓大学では、令和5年度より、企業が抱える課題の解決や新規事業の創出を目的に、企業・本学教員(プロジェクトマネジメントスキルを持つ人材)・本学学生がチームを組んで取り組む「共創プロジェクト」を実施しています。
叡啓大学は、県立大学として、地域企業の皆様へ貢献することが、ひいては本学学生を成長させることができると考えているため、「共創プロジェクト」は、大学が実施しているプロジェクトでありながら、学生がターゲットではなく、企業の変革と成長に貢献することを目指した取組となっています。
令和6年度は、以下の4社と連携し、プロジェクトを推進しました。
株式会社荒谷建設コンサルタント様株式会社オガワエコノス様株式会社シンギ様常石商事株式会社様
本イベントでは、第1部として、本学が企業の皆様と連携するプロジェクトにどのように関わっているのかを、本学産学官連携研究推進センター長及び本学の目玉科目である「課題解決演習」を担当する松浦講師よりご紹介しました。そののち、共創プロジェクトとはなにか、どのように実施してきたかについて、産学官連携研究推進センター教授であり、この共創プロジェクトの担当者でもある、定金教授より説明しました。 この会のメインである第2部では、毎週の定例ミーティングと、そのミーティング間のタスク実施を通して企業の課題解決に取り組んできた様子を、各社、本学学生を交えた企業チームが発表しました。
1.オガワエコノスチーム
産業廃棄物処理業界、という業界に対して、就職を考える新卒や第二新卒層が抱く漠然とした暗いイメージを、どのように捉えなおせばよいかを模索しました。
「資源循環をはやめる廃棄物処理の新しい見え方の検討」というテーマに対し、「あなたの家から出たごみの循環化で安心を作る会社」としてターゲット層に見てもらうには、というサブテーマを設定し、企業に対して提供できた新しい価値を中心に発表しました。 具体的な成果物としては、就職情報サイトでの企業紹介ページをどのような文章で、業界のどの部分について紹介すればよいかを検討し、5つのプロトタイプを作成しました。今後、就職情報サイトにこのチームが作成した紹介文が掲載される日をチーム一同心待ちにしています。
2.シンギチーム
プラスチックフタの削減と在庫負担の軽減を同時に実現するフィルム蓋デバイス「シュリンテックエコ」をもっと世に広めるにはどうしたらいいか、をテーマに検討しました。
「シュリンテックエコ」を企業に試験導入してもらうには、という課題を設定し、その解決策を模索する過程と、新しく創造された価値を中心に発表しました。
具体的な成果として、環境配慮に関心のあるユーザーへのニーズ調査や、開けやすさや購買意欲を高めるためのフィルムデザインの検証、学食や地元スーパーへの直接提案などのアクションを実施しました。今後は、ユーザーへのインタビューを通じて得られたフィードバックを元にフィルム改良を検討しつつ、プロジェクト内で提案した企業へ継続的にアプローチを行い、シュリンテックエコの普及拡大を目指していきます。
3.常石商事チーム
誰もが質の高い新規事業アイデアを持続的に創出できる仕組みについて検討し、新規アイデアが創出されない背景にある本質的な課題の特定に取り組んだ上で、その解決策を模索していきました。
「常石アイデア創出フレームワーク」をver. 6.0までブラッシュアップを重ねた過程と、企業に対して提供できた新しい価値を中心に発表しました。
具体的な成果として、実際に使ってみて有効性を検証したフレームワークの作成、会議でメンバーが議論しやすい環境づくりを提案しました。
フレームワークは今回で完成するものではなく、今後も利用者や環境に応じて事業開発部内でアップデートが進められていくことになりました。
4.荒谷建設コンサルタントチーム
土木施設の調査・設計で培った技術と自然環境保全技術を活かし、安芸太田町の里山に人流を生み出すことで自然環境を保持する施策について検討しました。安芸太田町の農家の方へのヒアリングで印象的だった「自分でつくるからこそおいしい」という言葉をきっかけに生まれた施策を生み出しました。
具体的な成果物として、米のもみすり体験や精米体験、米ぬかを使用した食事を体験、水田と放棄水田の生き物観察などを盛り込んだイベントや、料理人向けに安芸太田町の自然や農産物についてレクチャーするイベント等を提案しました。
チーム全員が5月31日に実施されるイベントの成功を心待ちにしており、その成果が地域活性化や自然保護に貢献することを期待しています。
参加した企業の皆様からは、「課題特定のプロジェクトの進め方が新鮮で、社内でも取り入れたいと感じた」「このプロジェクトを通じて、社内メンバーにも良い影響を与えることができた」といった声をいただきました。
全てのプロジェクトを担当した定金教授からは、常にバランスを追求しながら新しいことに挑戦し続ける参加企業の皆様と、企業の成果に真摯に向き合い貢献した学生たちに感謝のメッセージが贈られ、報告会は無事に終了しました。

また、お集まりいただいた皆様から、各チームの発表に対し、付箋でのフィードバックをいただき、ホワイトボードに貼っていただきました。
報告会終了後も熱心にのぞき込む様子が見られ、来年度以降、参加した学生がよりパワーアップするのではと期待しています。
本プロジェクトを通じて、企業と学生が共に学び、成長できる環境が整いつつあります。今後も叡啓大学では「共創プロジェクト」を継続し、より多くの企業や学生に参加いただける機会を創出してまいります。
このプロジェクトにご関心をお持ちの企業・団体の皆様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
<お問い合わせ先>
叡啓大学教育企画課社会連携係 堀内・石橋
TEL:082-225-6312
叡啓大学のウェブサイトはこちら
https://www.eikei.ac.jp