プレスリリース

常石グループ 2024年度 連結業績報告

リリース発行企業:ツネイシホールディングス株式会社

情報提供:

常石グループの2024年度(2024.1.1~2024.12.31)の連結売上高は、3,656億円(前年度比16%増)、経常利益は458億円(前年度比88%増)となりました。

セグメント別売上高は、海運事業はドライバルク市況が底堅く推移したものの新造船の転売船が減少したことから前年度比69億円減収の592億円(前年度比10%減)となりました。造船事業は、好調な海運市況を背景とした船価上昇や為替の影響を受け、386億円増収の2,748億円(前年度比16%増)となりました。環境事業は、マレーシアで展開している非鉄金属事業が好調に推移したことから前年度比69億円増収の285億円(前年度比32%増)となりました。商社・エネルギー事業は、今年度グループ3社が合併し、増収となりました。ライフ&リゾート事業は、ガンツウ事業が年間を通して順調に集客を伸ばしたことや、ベラビスタ スパ&マリーナ尾道の閉館に伴うリピート顧客の駆け込み需要などを着実に取り込み、前年度比2億円増収の54億円(前年度比4%増)となりました。

※本文記載の売上高はいずれも内部取引の相殺前
※商社・エネルギー事業の前年度比については、グループ3社(常石商事、ツネイシCバリューズ、ツネイシキャピタルパートナーズ)の合併を考慮し前年度比は非公表

常石グループは、社会環境が激変する中で、安定した事業基盤の確立を最重要経営課題と位置付け、5つの事業領域における成長戦略で市況変動に耐性のある企業グループへの発展を推進しています。また、2025年度より「徹底的にひと重視」を新たなミッションとして掲げ、人材育成をさらに強化するとともに、企業理念「社員の幸せのために事業の安定と発展を追求する」を磨き抜きます。また、ステークホルダーの皆さまにグループ全体への理解と共感を持っていただくため、社会貢献活動に一層注力していくほか、常石グループのブランド強化も図っていきます。


2024年11月に進水したメタノール燃料ウルトラマックス



■常石グループ 2024年度 連結売上高


常石グループ2024年度 連結売上高(内部取引相殺後)



常石グループ連結売上高 推移(内部取引相殺後)


<決算情報>
・決算期:1月~12月
・連結対象:常石グループ42社(国内22社、海外20社)


造船事業
■2024年度 概況
常石造船は、5つの戦略として掲げる「グリーンテクノロジー」「デジタルイノベーション」「ライフタイムバリューの向上」「人材開発」「新たな領域への挑戦」を軸に着実に取り組みを進めました。今年度の売上高は、旺盛な造船市況の需要を確実に取り込んだほか、為替変動、船価上昇などの影響も受け増収となりました。また、環境に配慮した船舶の需要が高まる中で、メタノール二元燃料船6隻を含む43隻の新造船受注を獲得し十分な手持ち工事量を確保しました。
新造船事業では、新燃料船の標準シリーズとして、「メタノール燃料ウルトラマックス」と「LNG燃料カムサマックス」を世界で初めて進水しました。2023年に策定した「常石造船CO2排出量削減ロードマップ」では、2027年までに2019年比でCO2排出量40%減を見込んでおり、順調に排出量削減に取り組んでいます。修繕事業では国内グループ会社7拠点の修繕ネットワーク強化により、一般商船分野において国内トップシェアを占めています。タグボートからLNG船まで多種多様な船型・船種の修繕を実施することが可能となりました。
そのほか、由良ドックの完全子会社化、三井造船昭島研究所のグループ化、常石集団(舟山)造船の揚子江船業からの第三者割当増資など、戦略的投資による研究開発やグループ内連携を図り、コスト競争力強化に繋げています。
●建造隻数:42隻(前年実績43隻)
 ※常石造船株式会社、TSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES (CEBU), Inc.、常石集団(舟山)造船有限公司の合計受注隻数:43隻(前年実績62隻)
  
■今後の展望
持続的な成長を目指し、現在推進している中期経営計画で掲げた5つの戦略を軸にした取り組みを引き続き着実に進めていきます。
2026年には、EEDI Phase4をクリアした第7世代のKAMSARMAX、2030年には省人運航船を実現した第8世代のKAMSARMAXを開発します。また、常石工場では、客船建造をマイルストーンの1つに置き、これを実現させるため、生産ラインの自動化などを計画中です。2024年に設計事務所を設立した東ティモールでは、新造船建造開始し2028年に初番船引渡しを目指し、工場建設を実施します。
私たち常石造船、造船セグメント各社は、常石グループ企業理念である『社員の幸せのために事業の安定と発展を追求する』を胸に、常識にとらわれることなく新しい事業や事業拠点の開発に挑むことで、新たな付加価値の創出に努めてまいります。


海運事業                                   
■2024年度 概況
紅海での紛争を避けたスエズ運河ルート迂回によるトンマイル(輸送重量距離)伸長の影響もあり海運市況は比較的好調に推移したものの、新造船の転売船減少により売上高は減収となりました。傭船・貨物輸送部門において、下半期に中国経済減速や欧州の脱炭素化で市況が低迷しましたが、上半期に傭船料の固定化をしていたことから影響を回避できました。定期コンテナ船部門は、上半期は円安と消費低迷で輸入量が減少しましたが、下半期は在庫調整の解消や競合他社から当社サービスへの切り替えが加速し、回復しました。
神原汽船の主事業である中国の主要港と日本の地方港を直航で結ぶコンテナサービス(日中定期コンテナサービス)は、1994年の開始から30年を迎えました。昨年5月にはスマートフォンアプリによる貨物ブッキングサービスの提供を開始し、顧客利便性を向上させました。また、環境保全と経済性の調和を追求し、2025年初夏に予定しているメタノール二元燃料ばら積み船竣工に向け、定期傭船契約を締結するなど、次世代燃料船への投資を進めました。国際輸送の担い手として地域の活性化と経済の発展に引き続き貢献していきます。

■今後の展望
安定的な収益体制の構築とGHG排出削減目標の達成に向けて、取り組みを加速させてまいります。傭船・貨物輸送事業では、環境規制強化を受け、省エネ技術やバイオ燃料の活用を通じて脱炭素化を推進します。定期コンテナ船事業では、航路の見直しによって定時性の向上を図り、顧客の利便性を高めてまいります。船隊整備においては、現有船のリプレースを図るとともに、顧客の要望に応える環境に配慮した燃費性能の高い船体を提供します。
引き続き、環境保全と経済性の調和を追求し、顧客に選ばれる海運事業会社を目指してまいります。


環境事業                                    
■2024年度 概況
脱炭素、再生可能エネルギーへの転換など、環境負荷低減に向けた企業の取り組みが加速する中、環境事業ではマテリアルリサイクル事業の拡大を推進しました。
本事業年度は、マレーシアのCycle Trend Industries Sdn.Bhd.で展開している非鉄金属事業が好調に推移したことから増収となりました。ツネイシカムテックスでは、福山工場(産業廃棄物処理)において福山市の焼却灰再資源化事業を開始したほか、埼玉工場では焼却灰を無害化・加工したリサイクル資材“人工砂”の大手ホームセンターでの販売を開始し、グッドデザイン賞を受賞しました。東広商事は新汚泥工場の土地を取得し、将来的な汚泥事業の拡大に向けた取り組みをスタートさせました。

■今後の展望
中期経営方針「サーキュラーエコノミーの主要プレイヤーになる」の実現に向けて、循環型サプライチェーンの構築及び環境負荷の低減を目指してまいります。特に、産業廃棄物・一般廃棄物の処理に係るリサイクル率向上、CO2削減・脱炭素に向けた設備投資や技術開発に加え、新規規制物質への対応など、将来を見据えた課題へ積極的に取り組んでいきます。
また、無事故・無災害による安全操業とコンプライアンス遵守、ESG経営を推進し、ステークホルダーへの貢献を果たしてまいります。


商社・エネルギー事業                                
■2024年度 概況
本事業年度、グループ3社(常石商事、ツネイシCバリューズ、ツネイシキャピタルパートナーズ)が合併したことにより増収となりました。常石グル-プに対する材料供給は、好調な造船事業の影響を受け資機材などの受注が増加しました。
既存事業分野では、合併に伴い新たに営業推進部門を設立することで、商品ラインナップの拡充と営業先の拡大を図り営業基盤の強化を図りました。また、新たな取り組みとして、太陽光発電の一貫サービス体制の構築を目指し、再生可能エネルギー分野に注力しました。新規事業分野では、カーボンニュートラルを推進する電力事業へ出資し取り組みを推進しました。

■今後の展望
中期方針「常石グループにおける事業創出の中核を担う会社となる」を掲げ、将来に向けた新規事業の創出および既存事業の経営基盤強化に取り組みます。
新規事業の創出については、2024年11月に新たに発足したお惣菜の宅配サービス「つくりおき.jp」と事業提携したIntegreat株式会社が本年5月より本格的にサービスを開始します。法人営業本部では、グループ内への安定供給とグループ外への外販拡大、代替燃料への対応、付加価値製品提供による顧客利益増大を目指し、グループ各社との連携強化を図ります。リテール販売本部では、クルマを通じてお客様に安心・安全の提供を続けながら、サービスステーションを活用した事業拡大、新業態開発を推進します。


ライフ&リゾート事業                                
■2024年度 概況
ライフ&リゾート事業は、猛暑、台風の影響により売上推移が弱含みとなったものの、旅行や外食、遊園地・テーマパークなど外出を伴うレジャーの回復基調が堅調で増収となりました。主な要因としては、ガンツウ事業が年間を通して順調に集客を伸ばしたことや、ベラビスタ スパ&マリーナ尾道の閉館(2025年1月14日閉館)に伴うリピート顧客需要の着実な取り込み、みろくの里が音楽アーティスト(sumika、SUPER BEAVER)や人気のアニメ作品(機動戦士ガンダム・機動戦士ガンダムSEED)と提携した企画を実施し、新規顧客を開拓、獲得したことなどがあげられます。

■今後の展望
旺盛な訪日旅行需要に加え、国内旅行需要も堅調に推移することが見込まれる中、瀬戸内エリアでは今年、3年に一度開催される瀬戸内国際芸術祭をはじめ、ひろしま国際建築祭や岡山国際芸術交流など、国内外からの集客が期待できるイベントが年間を通じて開催されます。就航8年目を迎えるガンツウは、客室の改修や新たな特別航路(大阪特別航路を8月運航)の開発などの高付加価値化を通じ、新規顧客獲得による収益向上につなげます。みろくの里では、本年夏にプールエリアを拡充し、県内のレジャープール閉館による夏季レジャーの需要の獲得を図ります。さらに、音楽を経営の柱のひとつにすべく開園以降初めてとなる音楽フェスティバルを開催します。


常石グループは、社員の幸せのために事業の安定と発展を追求し、 地域・社会とともに歩む企業として、持続可能な社会の実現に寄与してまいります。


― 本件に関するお問い合わせ先 ―
ツネイシホールディングス株式会社
広報ブランド部
pr@tsuneishi.com
TEL:084-987-4915

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