介護施設の現場を取材したドキュメンタリー映画、広島で上映開始

上映後の舞台あいさつを終えてパンフレットに名前を記す大宮監督。来場者からの感想も寄せられた。

上映後の舞台あいさつを終えてパンフレットに名前を記す大宮監督。来場者からの感想も寄せられた。

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 介護施設の現場を取材したドキュメンタリー映画「ただいま それぞれの居場所」の公開が広島の「横川シネマ」(広島市西区横川町、TEL 082-231-1001)で始まり、7月25日に大宮浩一監督が舞台あいさつを行った。

映画のワンシーン

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 2000年4月の介護保険制度開始から10年。介護サービスの数が急激に増え続ける中で、介護を必要としながらも制度の枠組みから漏れてしまう人がいる現状から、「画一的な介護サービスのあり方にジレンマを感じ」、自らが民間福祉施設を立ち上げた人々を取材した同作品。

 20~30代の若者を中心とした3施設と、設立から23年になる4つの施設を昨年、約半年間かけて取材した。低賃金や人手不足などの問題が多く取り上げられがちな「介護の現場」で、利用者や家族とかかわることを望み、理想とジレンマの間で奮闘するスタッフの姿を描く。

 1996年に民間福祉施設を舞台にしたドキュメンタリー映画「よいお年を」を手がけた大宮監督にとって、老人介護や福祉をテーマにした作品は3本目。上映後の舞台あいさつでは、「人と人との交わりや関係性を撮りたかった」とあえて勉強せずに撮影に臨んだことを明かし、映画に対して「ある時期のある一場面」とも。撮影場所は、制作費の兼ね合いから埼玉や千葉、京都に絞って行った。「映画はごく一部しか描けないが、介護は生活の延長線上」と大宮監督。「今日をきっかけに願わくば介護に対して『なんとかなりそう』と思ってもらえたら」と呼びかける。

 作品を鑑賞した広島市在住の介護福祉士、山瀬晃央さん(30)は「共感する部分が多かった。自分も民間施設で働いてみたい」と一人ひとりがそれぞれのペースで過ごせる施設での介護方法に刺激を受けていた。

 上映は8月6日まで。

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