アーティスト、藤本由紀夫さんによる「藤本由紀夫展ECHO-潜在的音響」が3月11日より広島市現代美術館(広島市南区比治山公園、TEL 082-264-1121)で始まっている。
藤本さんは愛知県名古屋市出身で、大阪芸術大学を卒業後80年代半ばより『音』をテーマとしたオブジェの制作を手がけてきた。同展のタイトル「ECHO-潜在的音響』は藤本さんが敬愛する20世紀美術に影響を残した美術家、マルセル・デュシャンの言葉から名付けられたもの。
展示作品数は39点。「作品と観客の互いの働きかけによって完成する」(同館)という作品には来場者が実際に触れて音を出すことができる。1980年 に制作された代表作の「EARS WITH CHAIR」は、会場の隅に設置された椅子に座るとパイプに耳が触れ音が聞こえる仕組みになっている。
同展担当者によると、来場者の中には「作品に触れることができて楽しかった」「視覚だけではなく、聴覚、嗅覚などの感覚にも敏感になれた」と感想を挙げる人が多いという。担当者は「自分が作品に接することで(藤本さんの)世界を感じられるのが魅力では」と話している。4月29日には藤本さんとエッセイストの嶽本野ばらさんとのトークショーも行われる。
展覧会の入場料は、一般=910円、大学生=680円、小・中・高校生=450円。開催時間は10時〜17時まで(5月5日は19時まで)。月曜日休館(同30日は開館、5月1日は休館)。
広島市現代美術館