広島で世界遺産「厳島神社」を有する宮島(廿日市市宮島町)に8月1日、官民協働で設置する観光地トイレ「TOTO宮島おもてなしトイレ」が登場した。
観光客の受け入れ環境の充実や満足度の向上を目指す廿日市市。おもてなしトイレは、「日本を世界のショールームに」を合言葉に日本のトイレ文化を世界へ発信するTOTO(福岡県北九州市)が整備した。
設置場所は、フェリー乗場(宮島桟橋)と厳島神社の中間に位置する宮島表参道商店街で、昨年6月まで「世界一の大しゃもじ」が展示されていた区画。
施設は木造の地上2階建てで、外観は景観条例に基づき、宮島の街並みに調和した伝統的な木造建築にした。延床面積は約500平方メートル。うち、1階トイレ部分は約183平方メートルとなる。フロア構成は、1階=トイレ、観光案内、2階=休憩スペースで、1階の表参道商店街側のフロアで観光案内を行い、奥側にトイレを設置。トイレを中心とした観光客の利便性向上のための複合施設に仕上げた。
1階トイレには、車いす優先トイレ=2カ所、おむつ替えコーナー、授乳室を備えた「ベビールーム」=1カ所、乳幼児連れ優先「ファミリートイレ」=1カ所、キッズトイレ=1カ所、男女共用個室トイレ「だれでもトイレ」=1カ所、女性トイレ=個室6室、洗面3台、スタイリングコーナー、男性トイレ=個室3室、小便器5台、洗面2台、スタイリングコーナー。トイレゾーンのプランニングは、30年にわたってパブリックトイレのプランニングを行ってきたTOTOのノウハウを生かし、空間コンセプトは宮島の伝統的な民家の空間構成である「ミセ」「オウエ」「ザシキ」を意識した。
訪日外国人旅行者をはじめ、障がい者や乳幼児連れのファミリー、さまざまな理由で異性でのトイレ介助が必要な場合など、多様なシーンに対応するトイレを目指す。