4月19日に始まった「ひろしま菓子博2013」で、食文化の一つとして広島で長年受け入れられてきたクリームぜんざいを再現した「廣島クリームぜんざい2013」が販売されている。
戦後の限られた食料作られたクリームぜんざいは、あずきや水あめ、砂糖だけで作ったヘルシーな甘味。当時の材料や機械には入手が難しいものもあるため、「新たなクリームぜんざいを提案したい」と50歳以下の若手経営者から成る「広島県菓子工業組合青年部」が当時の味にアレンジを加えて再現した。
構想期間は約2年。JR広島駅前で営業してきた「甘味たむら」のアドバイスを受け、青年部のスタッフが知恵を出し合いながら、砕いたもなかを下地にクリームぜんざいを載せたスタンダード(300円)と原爆ドームのもなかに宮島を表すしゃもじ、抹茶ときなこアイスをトッピングした「世界遺産スペシャル」(500円)の2種類を商品化した。
完全な再現は難しいが、「戦後の限られた食料で作った本質は曲げずに再現した」と広島県菓子工業組合青年部の竹内恒彦会長。アレンジしやすいよう、汎用(はんよう)性も意識した。「2013年版のクリームぜんざいとして、菓子博をきっかけに盛り上げたい」と意欲を見せる。
ひろしま菓子博は今月19日に開幕。来場者は5日間で約12万人と好調だ。実行委員会事務局では、ゴールデンウイーク中日の5月4日に会期中で最も多い8万人の来場を見込む。今回の菓子博から取り入れた再入場、夜間入場システムによる混雑の分散、緩和に期待を寄せる。