出演する全員が左手でピアノを演奏する「左手のピアニスト」によるコンサート「左手のアーカイブコンサート in 広島」が2月17日、JR広島駅周辺の喫茶店「純音楽茶房ムシカ」(広島市南区西蟹屋2)で開催される。
左手または、片手で演奏するピアノ曲の発掘と復興を目的に活動する団体「左手のアーカイブ」が主催するイベントは広島初。団体メンバーで広島出身のピアニスト瀬川泰代さん(24)が発起人となって開催を呼び掛け、集まった4人のピアニストが共演する。
参加するピアニストは瀬川さんと同世代。左手のみでピアノを演奏しながら、同団体のメンバーとして大阪や東京など、各地で個々に活動している。コンサートでは、メンバーが編曲した作品も紹介するほか、トークも展開。幅広い層が楽しめるステージを目指す。
「今やらなきゃ、いつやるのか」と行動を起こした瀬川さん。3歳からピアノを始め、地元の音楽大学に進学した秋、自分の意思に反して筋肉が収縮や硬直する「ジストニア」の発症が判明した。違和感を覚えたのは高校3年生のとき。いつものように朝、練習していると、「思ったように手が動かなかった」という。年々、ピアノ練習量を増やしていたため、「練習不足かなと思った」とも。
日常生活を送る中で支障はなかったが、病院を転々とする中で病名が分かった。葛藤も多かったが、「左手のみの状況になって学ぶことが多い」とピアノを続けた。「左手で演奏していると言いづらい」時期もあったが、大学在学中に出会った左手のピアニスト智内威雄さんの曲に元気づけられたという。現在は海外へ留学中だが、拠点を広島に置いて活動する。
開演時間は14時30分から。チケットは2,000円。今月16日には呉でもコンサートを開く。