戦後の広島で生まれた建築にスポットを当てたツアーが6月24日、広島市で始まり、初回は「カトリック幟町教会 広島世界平和記念聖堂」(広島市中区幟町)を訪れる。
企画は広島市現代美術館(南区比治山公園)が主催する「ミュージアム・カレッジ」の一環として実施。これまで月1回、一般から専門家までを対象に、同館での展示作品に関連したイベントやアーティストのトークを開いてきた。
本年度は、日常の風景になっている広島の建築群やその成り立ちや関わった建築家について掘り下げることで、文化的財産として捉え直そうと計画。これまで館内で実施してきたが、今回は美術館を出て開く。
広島世界平和記念聖堂は、1954(昭和29)年に完成。建築家・村野藤吾さんが設計した。建築面積は約372坪。鉄筋コンクリート構造で、聖堂の入り口には彫刻家の円鰐勝三さんが7つのカトリック秘跡をあしらった。本聖堂は2006年、国の重要文化財にも指定されている。
講師を担当するのは、京都工芸繊維大学美術工芸資料館教授の松隈洋さん。村野さんを取り上げた企画展も今年5月、同館で開催した。当日は見学後、村野さんを中心に広島の戦後近代建築という文化遺産についてトークを行う。
開催時間は14時~16時。参加無料、申し込み不要。次回は10月の開催を予定する。