使っていくと曲がっていく箸「曲がりなりにも箸」の販売を8月5日から、広島でウェブサービスの開発を手掛ける「エス」(広島市中区中町)が始めた。
軟らかい特性を持つ金属、スズを使った箸は、「目に見えて形が変化していく、箸の存在理由に挑戦し続ける商品」と同社企画開発部の尾崎広貴さん。酸化しにくく、抗菌作用もある。
商品化は、全社員が平均勤務時間の5%にあたる時間を使って、企画立案を行う中で出たアイデアがきっかけで実現した。「時間は、自分の好きな分野に使うことを推奨している」と児玉昇司社長。部署を超えて、アイデアを出すことで、単純な作業にならないよう配慮する。
開発期間は約1年。意見は週に一度開く企画会議で発表し、ブラッシュアップしていった。製造は、高純度のスズを使った鋳物技術を持つ「能作」(本社=富山県高岡市)に依頼。箸の重さは約96グラム。幅は約9ミリ、長さは約20.5センチ。化粧箱は白と黒を用意し、2つを合わせると宮島の鳥居が完成する。
「関心が高く、引き合いも多い」と児玉社長。宴会やパーティーなどでの利用や、食べづらいことからダイエット、我慢強さを養う鍛錬を目的とした使い方を提案する。
価格は1箱3,980円。