脱サラした男性が運営する広島市内の移動式カフェ「SPROUT CAFE(スプラウトカフェ)」(TEL 090-5268-2190)は8月末にコインパーキングでの営業を終えたが、同所近く(広島市中区三川町)で営業を再開した。
郊外のスーパーや家電量販店の駐車場、コインパーキングで移動販売を行うスプラウトカフェを運営するのは、広島市内在住の元ビジネスマン中西篤史さん(34)。今年1月から、軽ワゴン車での営業を始め、宇品や大洲を経て、並木や中央通りそばの三川町で現在営業している。店舗となる軽ワゴン車は目立つよう車体を赤と白のツートンカラーに塗装し、ホームセンターや100円ショップで購入した資材を使い改装した。
移動カフェを始める前、仕事でよく三川町かいわいを回っていた中西さんは、外回りで1日5~6本の缶コーヒーを消費していた自身の経験から、財布の中身を気にせずに立ち寄れる店を出したいと構想。低価格とインスタントではない味にこだわりを持つ。実家が商いを行っていたことで、小さいころから「商売」に興味もあった。「商売がしたい」という気持ちが後押し、脱サラ後は小資本でスタートできる屋台や車での移動販売に着目した。
販売するのは、水にこだわるワンコインの「ホットコーヒー」(100円)、水出しの「アイスコーヒー」(120円)、瀬戸田のレモンを使用した「はちみつレモンソーダ」(200円)、「100%ジュース」(200円)などのドリンクのほか、お好み焼きの具材を挟んだホットサンド「HIROSHIMAサンド」(380円)や日替りサンドイッチ(280円)、スープ(200円)などの軽食。
現在はメーン通りから1本入ったコインパークの一角を借りて営業。1時間ごとに数百円を「家賃」として支払っている。以前に比べ人の流れが少ないことから利用者は常連客をメーンに1日約30人を見込む。機動性の高い移動式カフェを市中心部の公園や人が集まる場所に出店したいが、市の条例などによって制約され難しいという。
「厳しい運用だが、これができたら何でもできる」と中西さん。利用者にとって「一息つける場所になりたい」と移動式カフェにスプラウト(新芽)が出る日を待つという。
営業時間は11時~16時ごろ。