日本初の外輪型蒸気帆船「観光丸」が、坂本龍馬ゆかりの地に寄港する「長崎龍馬大航海2009」が8月13日から西日本の港で始まり、広島には16日、観音マリーナ(広島市西区観音新町)に寄港する。
観光丸は、1855年にオランダ王国ウィレム3世から徳川幕府に献上され、長崎海軍伝習所の練習艦として使用された蒸気帆船。勝海舟ら幕末の武士たちは、この船で当時最新の航海術を学んだという。大きさは、全長65.80メートル、全幅14.50メートル、喫水4.2メートル、メーンマストの高さ32メートル、マスト数3本。ハウステンボス(長崎県佐世保市)が所有する現在の観光丸は、国立アムステルダム海事博物館所蔵の設計図と模型をもとに、オランダのフェロルメ造船所で復元・建造された。
現在は、横浜開港150周年事業に参加するため横浜港に停泊しているが、長崎への帰路につく途中、龍馬が脱藩したときにたどった松山やいろは丸事件の広島、塾頭を務めた海軍操練所がある神戸ら4カ所に寄港する。広島への寄港は今回が初めて。
会場では、船内見学に加え、ロープの上げ下ろしを行う「展帆作業」、船の先端渡りなど観光丸の魅力を体感できる「船内ツアー」を実施。このほか、先着500人にオーケーオフィスコーヒー(長崎市)が販売する「龍馬が愛した珈琲」のプレゼントや、ご当地イベントを開催するブースを設け、パネル展示なども行う。
長崎県は、坂本龍馬の生涯を描いた2010年に放映される大河ドラマ「龍馬伝」で舞台となったほか、龍馬が日本で始めて結成した商社「亀山社中」の拠点が置かれた場所でもあることから、県では推進協議会を置き、観光キャンペーンに力を入れている。
開催時間は10時~17時。体験ツアーは10時~、12時~。当日、会場への問い合わせは(TEL 080-4274-2961)まで。