広島電鉄、原油高で苦しむも当期純利益は過去最高に

写真=広島電鉄本社ビルと市内電車「グリーンムーバーマックス」(c)広島電鉄

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 中国・四国エリアで最大の私鉄である広島電鉄(広島市中区東千田町、082-242-3521)を中心とした広電グループは5月12日、2007年度の連結決算を発表した。営業利益と当期純利益は過去最高、経常利益は史上2番目を記録した。

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 同社が発表した決算短信によれば、売上高は39,455百万円(前年比1.4%減)、営業利益は2,896百万円(同0.8%増)、経常利益は2,320百万円(同1.4%減)、当期純利益は前年度の2,914百万円の赤字から大幅に好転し4,482百万円増の1,567百万円。

 営業利益は、民間・公共受注工事の減少による建設業や不動産業での減収が響いたものの、宮島来島者の増加により増収した運輸業を始め、好調を維持した流通業やレジャー・サービス業などのセグメントで増益となり、過去最高の3年連続増益をあげた。

 当期純利益は、ゴルフ場施設の減損と棚卸資産に新会計基準の早期適用をしたことに伴う損失など、巨額の特別損失の反動により特別損益が大幅に好転。過去最高益となった。

 主力の運輸業では、原油や原材料価格の高騰など厳しい面もあったが、広島や宮島への観光客が増加傾向にあることから乗車人員に歯止めがかかり増収に至った。

 流通業では、もみじまんじゅうや焼きカキ、アナゴ飯などを販売する「宮島口もみじ本陣」やサービスエリアで観光客の誘致活動、スーパー「マダムジョイ」のリニューアル工事を行い収益向上を図った。

 不動産業は、既存のテナントの解約による空室率の増加や賃料の値下げにより低迷。レジャー・サービス業では、広島県におけるゴルフ場入場者数が減少している中、アマチュアやシニアのゴルフ選手権大会など開催。入場者数は前年と比較し3.1%増加した。

 2008年度の連結業績予想は、売上高40,520百万円とほぼ横ばいだが、営業利益は2,260百万円と約22%減を見込んでいる。次期業績の見込みについて、同社総務担当者は、運輸業の不採算路線の縮小廃止による乗車人員の減少や紙屋町再開発事業に伴う既存ビルのテナント退去による不動産賃貸物件の空室率上昇を予想している。

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