漫画家・手塚治虫さんの10作品を日本図書設計家協会に所属する90人が装丁する企画展「手塚治虫を装丁する」が現在、広島市中央図書館(広島市中区基町、TEL 082-222-5542)で開催されている。
装丁文化を啓発する展覧会「BOOK SCAPE=本の風景」で書籍カバーの可能性を提案する日本図書設計家協会(東京都千代田区)が企画する同展。これまで、宮沢賢治や松本清張らの作品の装丁を行っており、4回目となる今回は手塚治虫をフィーチャーした。
装丁するのは、「火の鳥」「メトロポリス」「どろろ」など10作品。各作品の中から選んだ画像を基に、90人の装丁家が制作に当たった。作品ごとに異なる紙質も見どころの一つ。「風合いの違う紙を使っている」と共催する紙の専門商社「竹尾」(同)の井上さん。会場には、展示物そのものを図録にした非売品の「豪華現物図鑑」も用意した。
隣接するミニコーナーでは、全国で唯一の公立漫画図書館「広島市まんが図書館」(南区比治山公園)が所蔵する手塚作品の本やグッズなども展示。1作品で複数の装丁を見る機会が少ないことから、装丁や紙、手塚ファンからの反響も大きい。
同館ではこれまで、図書館が所蔵する資料展示が多かったが、3年前に宮沢賢治の装丁展を開催。会期は通常の企画展に比べ約3週間と短かったが、「好評だった」と事業課長の藤井寿美枝さん。同展の来場者数は3,000人を見込む。
開催時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。3月6日まで。