広島の老舗かまぼこ店「坂井屋」(広島市西区草津本町)が販売する、お好み焼き味の天ぷら「広島お好み天」が販路を拡大している。
広島お好み天は、広島風お好み焼きをイメージした商品で麺やキャベツを使用。主にキャベツを使うことで、食感を意識した。商品は2~3年前、同社で開発。当時、販売を試みたが、パッケージデザインが出来上がらなかったことから、いったん機会を見送ったという。
販売は、半年前から広島の百貨店や空港など一部で開始。価格は250円と手ごろで、約1カ月間日持ちすることから、昨年末にはインターネットや広島駅構内のキヨスク、宮島島内、宮島口の一部へも販路を拡大した。売り上げも「順調」と高崎明彦社長。手土産需要を考え、高速道路のSAなど観光客が集まる場所への展開も視野に入れる。
坂井屋は明治後期に漁師町で創業した老舗。これまで、細工かまぼこをメーンに手がけていたが事業が衰退。「何か広島らしい商品を作ろう」と10年前、細工かまぼこで使う紅葉の形を使って「もみじ天」を考案。食べやすさを意識し、アナゴを入れたり、揚げたりするなど試作を繰り返した。
もみじ天の販売をきっかけに、カキや瀬戸内海の魚介類など広島の食材を使った商品の企画を始めた。「地の食材を混ぜながら作るのがこだわり」と高崎社長。「商品を手作業で作る特徴は、差別化にもなる」。今後も、広島にこだわった商品の開発を続ける。