映画「正欲」の広島凱旋舞台あいさつが11月22日、広島バルト11(イオンモール広島府中内)で行われ、新垣結衣さん、磯村勇斗さんが登壇した。
朝井リョウさんの小説「正欲」を映画化した同作。家庭環境、性的指向、容姿など、異なる背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかをテーマに扱う。今月1日に閉幕した「第36回東京国際映画祭」では、コンペティション部門で最優秀監督賞と観客賞をダブル受賞した。
新垣さんは、広島のショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月(きりゅうなつき)役。両親の事故死をきっかけに広島に戻ってきた夏月の同級生、佐々木佳道(ささきよしみち)を磯村さんが演じる。映画のロケは福山市などで行われた。
舞台あいさつで、磯村さんは「舞台あいさつで地方に来ることも最近なかなかなかったので、ロケ地にもなった広島を訪れることができてとてもうれしい」と話した。新垣さんは「作中、それほど強い方言を使うことがなかった」と話す一方、「うちみんなに会えてぶちうれしいけぇ」(新垣さん)、「ワシお前らに会えてぶちうれしいけぇ」(磯村さん)とそれぞれ「強い」広島弁を披露し会場を沸かせた。このほか、磯村さんはロケ中に福山駅近くの居酒屋「自由軒」に1人で訪れたエピソードも明かした。
新垣さんは「今まで舞台あいさつを何回かしたが、こんなにゆるい気持ちは初めてかもしれない。これは広島パワーなのでしょうか。いつもより声が小さくてごめんなさい」と話し、会場を和ませた後、「この地で撮影させていただいて映画が完成している。皆さんのご協力のおかげでこの映画が作られている。感謝の気持ちでいっぱい」と感謝を伝えた。
同映画は現在、広島県内では、広島バルト11、TOHOシネマズ緑井、イオンシネマ広島西風新都、福山エーガル8シネマズで上映している。