カキ生産量1人当たりの消費量が全国1位の広島県が現在、カキ生産者と飲食店のマッチングを図る訪問ツアー「カキワゴン」の参加者を募集している。
2017(平成29)年に広島県が立ち上げたカキにスポットを当てる中長期の観光プロモーション「牡蠣食う研(かきくうけん)」の一環。広島でカキを味わえる飲食店を増やそうとカキ生産者や料理人らが参画する。運営は現在、広島県観光連盟が引き継いでいる。
参画するカキ生産者と参加する飲食店のマッチングは、カキのおいしさを飲食店のスタッフに知ってもらおうと企画した。飲食店がカキや生産者に出会うことで、広島県産カキを食べられる店をもっと増やす狙いがある。
飲食店に訪問してもらう生産者は、広島県が開発した3倍体カキ「かき小町」を独自の手法で養殖する「丸健水産」(大竹市)、地下80メートルからポンプアップしたほぼ無菌の地下海水をさらに紫外線殺菌して48時間かけ流しで浄化した生食用殻付きかきを出荷する「長船養殖場」(坂町)、環境に配慮した養殖を認証する「マリンエコラベル」をカキ生産者では全国で初めて取得した「地御前漁業協同組合」(廿日市市)の3カ所。
11月8日・9日、16日にそれぞれ1日限定で訪ねる。定員は各回8人。応募者多数の場合は抽選で決める。申し込みは「牡蠣食う研」ホームページで受け付ける。10月21日まで。参加無料。
今年で4期目を迎える「牡蠣食う研」の活動は、広島県でカキの水揚げが始まった10月1日から開始した。1期目は、福山市出身で東京のとんかつ店「成蔵(なりくら)」店主の三谷成蔵さんが「白いカキフライ」を開発。カキに合わせたレモンサワーも考案した。2期目には広島駅南口近くで小規模飲食店が集まる「エキニシ」で春にカキ祭りを開催。「牡蠣食う研」によると、春はカキのうまみ成分が最も増す季節という。コロナの影響もあって、マスクも開発している。3期目は、宮島でカキの食べ比べイベントを開催。自宅で作れるカキ調理のレシピ開発や大手町、エキニシエリアの対象店でカキを使った料理を食べるシールラリーを春に開いた。