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広島駅周辺で猿猴橋復元完成記念祭り「えんこうさん」 1万人が来場

猿猴橋復元工事完成式典での除幕時の様子

猿猴橋復元工事完成式典での除幕時の様子

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 広島駅南口の猿猴橋(えんこうばし)周辺で3月28日、猿猴橋復元完成記念祭り「えんこうさん」が開催された。

カープの緒方監督や小窪選手会長らも渡り初めに参加

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 被爆70周年記念行事として広島市が「平和の発信力の強化」「被爆者援護と次世代への平和への思いの継承」などの4つに力点を置き、取り組む事業の一環。

 猿猴橋復元工事完成式典には広島市長を始め、広島県知事や広島市議会議長らが出席。渡り始め式は3部構成で執り行い、羽織はかまや着物姿の市長や市民らが参加し、大正時代の渡り初めを再現した。

 柱上部に設置する鷹のモニュメントには「吉祥」の意味があることから、広島東洋カープの緒方監督や小窪選手会長らも渡り初めに参加。西国街道において広島城から江戸へ向かうルートを歩き、名古屋3連戦の必勝を祈願した。

 このほか、子ども神輿(みこし)や広島市長による点灯式カウントダウン、書道パフォーマンスなどを行った。河岸緑地ではフードを販売したほか、夕方からは街コンイベントも開催。当日は1万人が来場した。

 被爆橋の一つである猿猴橋は1926(大正15)年、現在のコンクリート橋に架け替えた。電飾や鋳物の透かし彫りなど豪華な装飾が施されていたが1943(昭和18)年、戦時下の金属資源不足のため発せられた金属類回収令により、これらの装飾品が全て供出された。また、1945(昭和20)年の原子爆弾投下では欄干の一部が破損する被害を受けたものの、構造的な被害はわずかにとどまり、被災者の避難や救援活動に使われ、多くの命をつなぐ役割を担ったという。

 広島の復興を見届けてきた猿猴橋の一部は広島市立大学芸術学部の協力を得て復元。後世に伝えようと行っている募金活動に広島市も連携し、JR広島駅周辺において進められている再開発事業や河岸緑地整備などと併せ、来訪者に向けて新たな都市の魅力発信を目指す。

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