広島・尾道で活版印刷を体験できる「活版カムパネルラ」(尾道市東土堂町、TEL 0848-51-4020)がオープンして1カ月がたつ。
デザイン事務所「カメレオンワークス」が事務所移転に伴い立ち上げた新事業。一文字ずつ活字の組み合わせを考え、作った版を印刷する活版印刷のワークショップが、「デザインの土壌を作り上げる一環になる」(代表の上田昇辰さん)との考えから始めた。
店名は、宮沢賢治の童話作品「銀河鉄道の夜」から決めた。活版所でアルバイトしていた主人公・ジョバンニの友人の名前が、「カムパネラ」だという。ロゴモチーフに使うネコは、同作品のアニメ版キャラクターから。尾道のネコも印象付ける仕上がりになった。
店舗面積は約10坪。オフィスに併設して構え、店内では紙製の雑貨やデザイン小物も販売する。ワークショップは予約不要で体験できるAコースと毎週土曜・日曜に各日2回、予約制で開くBコースの2種類。Aコースはあらかじめ図柄と文字を組み上げた6種類のデザインから1種類を選び、カード5枚を印刷する。Bコースは自身で図柄と文字を選び、上田さんがサポートしながらカード15枚を印刷していく。選んだ文字をパレットの中から拾い、パズルのように組み合わせていく過程も楽しめる。
活版印刷所スタッフが各地から見学に訪れることも多く、上田さんは「今後は各地域で活版印刷に取り組む人と連携していけたら」と話す。
営業時間は11時~19時。ワークショップ参加料は、Aコース=864円、Bコース=3,024円。