広島で100年以上続く老舗映画館「東洋座・名画座」の閉館から2年、広島市内で「サロンシネマ」など4つの映画館を運営する「序破急」(広島市中区大手町5)は8月17日、同所に今秋のオープンを予定する「新館」の改装に向けて解体工事に着手した。
劇場がテナントとして入る福屋(胡町)8階で行われている解体工事は、百貨店の閉店後から開始。2008年7月の閉館以降、そのままで保管されていた館内の座席や什器の撤去に取り掛かった。序破急ではこれまで、映画館として営業していた場所をリニューアルしてサロンシネマほか4つの映画館の営業を開始しており、日本初の床暖房やマツダの車用シートを使用した座席、幅75センチの「日本一広いシート」などを導入。新しくオープンする5館、6館目にあたる東洋座・名画座も全面リニューアルを行う。
市内中心部では広島スカラ座や広島東映・広島ルーブルなどの閉館が相次ぐ中、新館のオープンを決めた序破急の蔵本順子社長。新館のオープンにあたり、サイト上などで意見や要望などを6月から募った。さまざまな意見が寄せられる中、「新しいことに挑戦するのはいいが、今の4館に影響があるならやめてほしい」などの声もあったが、生まれ育った広島の「街中に映画館の火をともしたい」と蔵本社長。「そこに住んでいる人が本気を出さなければ」と映画館の再生への「挑戦」を決め、広島の活性化につながる劇場作りを目指す。
オープンは11月を予定。