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広島で「金魚絵師」が初の展示会 樹脂を使った3Dペイントによる金魚アート並ぶ

風呂おけの中で泳ぐ鮮やかな金魚

風呂おけの中で泳ぐ鮮やかな金魚

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 そごう広島店(広島市中区基町)で8月4日、「金魚絵師」の深堀隆介さんによる展覧会「金魚養画場 広島編」が始まった。

水を張ったおけの中で網に入った金魚が泳ぐ

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 金魚をリアルに表現した作品が人気を集める深堀さんの展覧会は中四国地方で初めて。金魚のメインカラーである赤色が球団チームカラーの広島東洋カープでにぎわう広島で開く。

 深堀さんが描く金魚は濃淡がはっきり出る色彩が特徴で、代表作は器に透明な樹脂を流し込み、その上に直接、筆で金魚を描くオリジナル技法で作る樹脂を使った3Dペインティング作品。一点一点の金魚は小さくても集合体のインパクトとエネルギッシュな作品は海外での評価も高いという。

 会場では深堀さんがセレクトした樹脂作品「金魚酒」や畳2枚に相当する大きさのびょうぶに赤と黒の大きな金魚を描いた作品など約30点を展示するほか、樹脂作品の制作過程をまとめた映像も公開している。樹脂を使った3Dペインティング制作は試行錯誤を繰り返し、手探りで取り組んできた。8年間は非公開としてきたが、テレビ番組での取材を受けて以降、反響が大きく、「後世に向けて技法が発展すれば」との思いから公開している。

 学生時代から魚をモチーフにした作品を作ってきた深堀さん。「人間が生きられない水面の向こう側に興味を持っていたが、金魚は身近にあったため、魅力に気が付かなかった」と話す。そんな金魚に「シンパシー」を感じたのは、サラリーマンを辞めてアーティストとして活動を始めた2000年、スランプに陥っていたときに飼っていた一匹の赤い金魚だった。学生時代に手伝った地元の祭りに出店していた金魚すくいの屋台からもらった、袋いっぱいの金魚の中で唯一、7年間生き抜いた一匹だったという。深堀さんは「自分が自信を持てるものをわらにもすがる思いで探し、『金魚』を見つけた」と話す。

 今月12日にはライブペインティングを行い、びょうぶ(高さ・幅共1.8メートル)に迫力ある金魚を描く。深堀さんは集まった観覧者と話をしながら、自身の思いやその場の空気を金魚のうろこの下に色で重ね、透け感を表現するという。

 営業時間は10時~20時(最終日は17時閉場)。入場無料。場内は携帯電話での写真撮影も可能。ライブペインティングは12日14時から約1時間。当日10時より8階美術画廊で整理券を配布する。今月16日まで。

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